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敷地環境を読み解く

景色の良い丘の上に建つ住宅です。既存の木造住宅からの建て替えとなりました。長い急な坂道をうつむきながら一生懸命登り、ふと見上げると、曲線の美しいらせん階段越しに現れる、大きな木と白い家が印象的です。
この建て替えにあたり、敷地の環境を読み解くと、ふたつの軸が見えてきました。ひとつは東西の長手方向、もうひとつはそこから約30度ほど振った、垂水の海を見下ろすことのできる南北方向の軸です。これらの条件に従って素直に計画をおこなった結果、この枝状にわかれたプランをもつ、Branch Hausができあがりました。
住まいの中心となるのは、「へ」の字のかたちをしたアトリエ(1F)とLDK(2F)です。長時間を過ごすことになる場所ですから、ふとした時に景色を楽しめる位置にと考え、加えて海を見渡せる真南方向へ開口部を設けました(南北軸に沿って配置しているので西日を気にしなくても良くなりました)。とくに2階のLDKからの眺めは絶景です。クライアントからも「窓を開放する方角を変えるだけで、こんなにも景色が変わるなんて!」との声が。建て替え前は、海はちらっと見える程度で、向かいの建物の屋根を見ながら生活していたそうです。
また、敷地の形状から東西に長く、かつ入口が東端であることから動線が長くなってしまいそうでしたが、この中央に配置された広いLDK/アトリエを介して東西に移動するプランによって、動線を短くすることもできました。長い廊下も必要がなくなり、空間も効率よく活用できたと思います。木造在来工法に木造ラーメン構造をプラスアルファしたハイブリッドな工法を採用しています。
建物が枝状に分かれているのでBranch hausと銘打ちました。枝状に分かれた理由は、敷地の長手方向と、視界が拡がる南北方向というふたつの軸にしたがって設計した結果です。
そのおかげで美しい海を見渡すことのできる住まいとなりました。2階にある36帖の「ヘ」の字型LDKからの眺めは絶景です。
インテリアのテーマはモダン×ラグジュアリー×ラスティックです。LDKの切妻の壁面にはふたつのおもしろい素材を使っています。こちらの壁には、ステンレスを酸で処理した無垢の板。様々な条件で経年変化を楽しめる素材です
以前の家が老朽化した為、建て替えを決意しネットで好みのデザインをして下さる方を探して依頼しようと考えました。三か月くらい色んなH.Pを巡って載っている写真とにらめっこしてましたが段々わからなくなってきて、結局一番最初に素敵なお家がいっぱい載ってる、おしゃれーと思っていたH.Pのseki.design石さんに依頼した次第です。
打ち合わせにはいつも何度もうちまで来て下さって、かなりの回数を重ねました。以前の家は両親が建てたものだったので、実質初めての注文住宅なのですがこんなに打ち合わせに時間をかけるものなのかと、密かに驚いてました。
家具やインテリアについてもショールームまで着いて来て下さり色々提案してもらったので、自分であれこれバラバラに選ぶよりずっと統一感のある部屋になりました。
特に同じ場所に建てたのに、家の方向を少し振ったことで、海が一望できるものすごく見晴らしのいいリビングになったのはとても満足です。やっぱりプロは違うなーとみんなで言っております。
物腰も柔らかい先生ですので相談もし易く、若い方も安心して依頼出来るんじゃないかなと思います。
施工 | 有限会社ビームスコンストラクション |
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1Fキッチン/洗面所 | クチーナ神戸 |
2Fキッチン | キッチンハウス |
家具 | モルテーニ・アルフレックスジャパン |
所在地 | 神戸市垂水区 |
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用途 | 専用住宅 |
家族構成 | 1名 |
竣工年 | 2017 |
構造 | 木造/地上2階 |
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敷地面積 | 82.2坪 |
延床面積 | 62.5坪 |
総工費 | 6750万円 |