Plan / Section
平面図・断面図
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家族が長いあいだ、ひとつの空間で過ごしていくために必要なことは、それぞれの時間を大切にするということではないでしょうか。この“Liv.diverse”は、その名のとおり、それぞれがしたいことを同じ空間でできるよう、領域を区切り、さまざまな「場所」をつくった住まいです。
区切るといっても、視線と空気は繋がったままの、ひとつの空間です。しかしそのなかで、床の高さや天井のかたち、素材などを変えて特徴をもたせることで、それぞれの領域はゆるやかに区切られ、「場所」となっていきます。
すぐ近くに家族がいて、時間や空間を共有しながらも、「自分の場所」で自分がしたいことができるということ。その領域を越えて互いにコミュニケーションをとりながら、しかし自分の時間も大切にする。気分やしたいことに合わせて、場所を変えてそれぞれの「時」を楽しむ家になれば──そんな願いを込めました。
1階のプレイルームは、縦格子を介して玄関と緩やかにつながった空間です。間仕切りなどで明確に区切ってはいないため、玄関を広くみせてくれる効果があります(間仕切りとドア、収納をつくることで、将来は個室として活躍します)。開口部を地窓にすることで、1階でありながらプライバシーを確保しつつ、面した坪庭の美しい部分だけを切り取ることができました。
2階は、ワンフロアをぜいたくに使った24帖の空間となっています。ここを、視線のつながりを保ったまま、6つの領域に分けました。キッチン、ダイニング、ごろ寝リビング、PCコーナー、ライブラリー、インドアガーデン──それぞれの空間は、床の高さ、天井高、天井のかたちなどを変えることにより、緩やかに区切られています。
LDKの中心となっているのは、食事をするダイニングです。お茶を飲んだり食事をしたり、子供が勉強したりする場所を中心とすることで、すべての領域が繋がっていくと考えました。7帖の広々したキッチンには大きな作業台があり、ゲストや子供たちと一緒に楽しく料理をつくることができるでしょう。子供が小さいうちは、「ごろ寝リビング」にラグを敷いて子供を遊ばせていれば、どこにいても目が届いて安心です。
ライブラリーとインドアガーデンは、階段の踊り場のようなところにあり、3階にアクセスするワンクッションとなっています。とくにインドアガーデンは階段の横にあり、毎日の階段の上り下りがとても楽しくなるしかけのひとつとしての役割も果たします。またライブラリーの床下は、3帖程度の収納として有効活用しています。
3階は、「お月見バルコニー」とつながる景色のよい部屋となっています。すぐ下のライブラリーとの高さの差はわずかに1m、ダイニングとも高低差が2.4mと、通常の「3階」よりも低い位置にあり、思わず階段を上りたくなるような、2.5階をイメージした空間です。
そんな空間ですから、たくさんのゲスト来たときは2階の24帖と併せて、30帖の立体的な大空間として利用でき、いろいろな「場所」にゲストが滞在することができます。インドアガーデンの緑に手が届く距離であることも魅力のひとつ。また、間仕切はなくともプライバシーが確保できるので、ゲスト用の寝室としても使いやすくなっています。将来は主寝室として活躍する予定です。
モデルルーム兼ご自宅をお伺いした際にとても心地よく、生活とデザインが共存している印象だったので、私達の予算内でも納得いく家が出来るのではと思い依頼しました。
今住み始めて2年半ほどですが気に入っているところは、キッチンを広めに確保しその真ん中に作業台兼食器棚を配置したので、友達が集まった時にそこで一緒に作ったり食べたり、ダイニングとも繋がっているのでどこにいても会話が出来る事は楽しいです。
石さんには色々我儘を聞いていただいたと思っていますが、いつも笑いながら面白がって頂いたのでありがたかったです。友人達からも居心地がいい家と好評です。
依頼のきっかけは、スーモの建築家検索で。デザイン偏重過ぎずバランスの良い建築家だと感じたので問い合わせてみました。
依頼の決めてとしては、デザインだけでなく、家の住み心地や目に見えない家の性能を含めた、家に関する価値観が似ていると感じたこと。人柄も親しみやすかったです。
家を建てるだけでなく、建てた後のご近所付き合いまでを見越して、近隣の方に事前に説明に行って頂いた事など、初めての住宅建築でわからないことだらけの中、専門家として適切に細かいところまでサービスして頂いたのは、さすがだと思います。また建築家は家の専門家だけあって、住宅建築に関するあらゆる事に理論的で実務的に答えて頂けるのが、有り難かったです。
現在の住まいごこちは、住み始めて2年になりますが、ゲストにもくつろいでいただけるダイニングが特に気に入っています。ゲストにはどこで建てたの?と、必ず聞かれます。住宅デザインはあるところは洋風で洗練されており、ある場所は和モダンの落ち着く空間であったりで、見た目にも飽きさせず、また冬は暖かく夏は涼しい機能的な家でもあります。これだけツボを押さえた住宅を予算内で設計できたのは、改めて凄い事だと感じます。
最初にあった時から、なんでも相談できる柔和な人柄は、ある意味建築家の先生っぽくなくて良いですね!
施工 | 有限会社ビームスコンストラクション |
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キッチン | リシェル/リクシル |
所在地 | 奈良県生駒市 |
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用途 | 専用住宅 |
家族構成 | 夫婦 |
竣工年 | 2016 |
構造 | 木造/地上3階 |
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敷地面積 | 28.4坪 |
延床面積 | 29.1坪 |
総工費 | 2800万円 |