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作品写真
Outline
  • 丘の上に建つ住まいの計画です
  • 敷地の特性を活かすため、居住スペース/ユーティリティスペースをそれぞれ別のボリュームへ集約し、配置しました
  • ユーティリティスペースを北側へ集約することにより、LDKを最大化し、日常の便利な動線を確保することができました
  • 個室群は最低限の空間としながらも、全室テラスつきで狭さを感じさせないものとなっています

Analysis of the Site
敷地環境を読み解く

方位
プランづくりの前提条件として敷地環境を読み解いていきます

この住まいは〈居住スペース〉のボリュームと〈ユーティリティスペース〉のボリュームから構成されています。

〈居住スペース〉は、敷地に対して概ね35度回転して配置されたボリュームで、これはLDKの開口と縁側テラスがほぼ真南を向くように調整したものです。

この35度回転させた先の〈南の方向〉は、この敷地においてはとても重要です。なぜなら、南側は地盤レベルがかなり低くなっていて、隣接する2階建ての建物も平屋ぐらいに感じることができる場所となっているからです。そちらに向かって〈開く〉ことで、周囲からのプライバシーを確保しながら、光をおおきくとりこみ、空を広く感じることができるでしょう。

そこで、この南に正対するかたちで1階2階ともに長時間を過ごす〈居住〉ボリュームをつくり、一方、敷地に沿ったもうひとつのボリュームへユーティリティ機能を集約することにしました。これにより、南に張りつくLDKの間口も最大化でき、一方プライバシーの確保が難しい北〜北東側も余すことなく利用し、日常の便利な動線も可能となる、とても効率的なプランをつくることができました。

Plan
平面図

方位
1F
1階平面図
2F
2階平面図

Features
特徴

シンボルとなるレンガ壁

一部の外壁やLDKの壁をレンガの模様貼りとし、デザインの要としました。レンガは古くさいというイメージを持つ方も多くいますが、上手に使うことで知的で歴史的な深みのある表情を見せてくれます。

使用したレンガは国代耐火工業所にオーダーし、担当者の方とコミュニケーションをとりながら、色目、質感、大きさ、目地の詰め方までこだわり、何度も試作していただいた上で製作したもの。クライアントさまにも気に入っていただいているようです。

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開放的なLDKと縁側テラスのために

1Fは、LDK22帖、ライブラリー2.4帖、そこへ縁側テラス15帖をプラスすると37.4帖もの広がりを感じることのできる空間となりました。その〈広がり〉をなるべく阻害せぬよう、開口は幅6.2m×高さ2.5m、3枚の建具を壁に引き込むフルオープンサッシを採用。自然と外に出たくなるような繋がりを意識しています。

このLDKのフルオープン開口部を可能にしたのは木製の〈へーベシーベ〉と呼ばれる機構をもつサッシです。ドイツで生まれたへーベシーベは、ハンドル操作で引き戸が持ち上がりスライドしていくため、高気密・高断熱かつ高水密ながら、重厚な引き戸も軽い力で開閉することができます。

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太陽に素直な設計

〈太陽に素直な設計〉とは、冬の日射はできるだけ取り入れ、夏の日射はできるだけ遮る、というもの。それによって、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができます。それをもっとも効率よく実現するのは、〈南向きに大きな開口部をつくり、そこに庇を設置する〉という方法です。

庇がない場合、夏の日差しは、畳二枚分の開口部から650Wもの熱をもたらします。これは、「こたつ」が壁面についているのと同じような状態ですね。一方、庇で日射を遮ることができれば、それが53W程度ですむのです。

この敷地では〈絶景〉の方向へ建物を開くことが、すなわち南の方角に開くことと概ねイコールとなっており、〈太陽に素直な設計〉をすることができました。

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ショートカットを兼ねたライブラリー

子供向けの教材や絵本などを収納するライブラリーです。この空間は、キッチンからファミリーCLへ向かうショートカットの廊下を有効活用しています。書籍はもちろんのこと、ランドセルや学校の教材や道具、ちょっとしたおもちゃ等がここに収納できます。

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南に並列する最小限の個室群

家族が集まるLDKになるべく多くの面積を割くため、個室は最小限のものとしています。しかし〈最小限〉とはいえ、それは面積だけのこと。全室が絶景テラスに面して、南の方角に広がる絶景を楽しめる空間となっています。また勾配天井で最も高いところで3mほどあり、天井にプロジェクターで映像を映し出して寝転がりながら家族で映画鑑賞といったことも可能です。

個室2・3は、当面は家族全員が並んで寝られる9帖ほどのスペースとしています。窓も広いため、こちらをセカンドリビングのように使うのも面白いかもしれません。将来は壁で仕切って、概ね5帖の空間が合計3室できるように計画しています。

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Photographs
写真

Data / Credit

千里山・丘の上の家House on a Hill in Senriyama
施工 建築工房アクトホームズ
キッチン リシェルSI