Analysis of the Site
敷地環境を読み解く
この住まいは〈居住スペース〉のボリュームと〈ユーティリティスペース〉のボリュームから構成されています。
〈居住スペース〉は、敷地に対して概ね35度回転して配置されたボリュームで、これはLDKの開口と縁側テラスがほぼ真南を向くように調整したものです。
この35度回転させた先の〈南の方向〉は、この敷地においてはとても重要です。なぜなら、南側は地盤レベルがかなり低くなっていて、隣接する2階建ての建物も平屋ぐらいに感じることができる場所となっているからです。そちらに向かって〈開く〉ことで、周囲からのプライバシーを確保しながら、光をおおきくとりこみ、空を広く感じることができるでしょう。
そこで、この南に正対するかたちで1階2階ともに長時間を過ごす〈居住〉ボリュームをつくり、一方、敷地に沿ったもうひとつのボリュームへユーティリティ機能を集約することにしました。これにより、南に張りつくLDKの間口も最大化でき、一方プライバシーの確保が難しい北〜北東側も余すことなく利用し、日常の便利な動線も可能となる、とても効率的なプランをつくることができました。