自宅は安心して安全に過ごせる場所と思いがちですが、実は家庭内事故というのは、思いのほか多く起きています。
年によっては、子どもや高齢者の家庭における不慮の事故が交通事故の死亡件数より上回ることもあるのです。
このことからも、家の中で過ごす時間が多い子供やお年寄りが安全に過ごせるような配慮が必要と言えます。
事故はどこで起きやすいのか注意すべき箇所を順に紹介していきたいと思います。
まず、家庭内で最も事故が起きやすいのは、階段です。
事故になってしまう一番大きな原因は転落、転倒でこの2つがほとんどを占めています。
パターンとしては、スリッパをはいていて滑ったり、ズボンやスカートのすそでつまずく、階段の手すりが折れてしまったりというような場合があります。
これらの事故を解決するには、階段には手すりをつけることで、その手すりに体重をかけてもぐらつかないように頑丈につけてあることということがあげられます。
また、滑るのを防止するために階段には滑りにくい素材を用いていることが大切です。
特に、小さいお子さんがいる家庭では、子どもが遊んで上ってしまわないよう階段に柵を付けることも一つの予防策となるでしょう。
次に、事故が多い場所は、浴室です。
浴室で起こる事故は重傷なものになってしまったり、死亡事故につながることも多いので、大変危険な場所とも言えるでしょう。
どのような時に事故が起こりやすいかというと、足が滑って転んでしまったり、浴槽に転落してしまったり、蛇口に頭をぶつけて打撲してしまったりということがあります。
幼児が浴槽へ落下してしまうことを防ぐには、浴槽のふちの高さが一定以上あると良いと言われています。
高齢者は、前述した外傷だけでなく、急激な温度差によるヒートショックが原因で入浴中に溺れてしまったり、心不全を起こしてしまったりすることも多くあるので、
のぼせてしまうまで入らないことや、事前に体を温めておくことが重要でしょう。
また、床や敷居でつまずいたり滑ったりして転んでけがをするということも多くあります。
滑るのは、床が濡れていたり、落ちていた紙などにのって滑ってしまうものが原因としてよくあげられます。
事故の解決策としてあげられるのは、段差の解消と滑らない環境づくりを行うことです。
高齢者は歩くときすり足になりがちで、それによってほんの小さな段差でも躓いていしまう可能性があります。
軽い転倒でも骨折してしまいそこから寝たきりなどという重症化してしまうケースも高齢者には多々あります。
滑らない材質の床にしたり、段差は目に見えるようにしるしをしっかりつけたりと、些細な工夫が住宅に必要となります。
高齢化が進んでいく社会だからこそ、安全な住宅というのは様々な場面で求められます。
小さなお子さんから高齢者まで、安心して暮らせる住まいづくりを心掛けましょう。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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