Analysis of the Site
敷地環境を読み解く

山間の住宅地に計画した住まいです。敷地の建蔽率は40%、それをいっぱいまでいかして建築面積14坪弱の狭小住宅となりました。
はじめて敷地を見に行ったときに、登っていくほど空が広がり山が近づくこと、また眼下に見渡す街の風景に癒されたことが印象に残りました。敷地のまわりで飛び跳ねながら、どこまで視線を上げればいい景色が望めるか、みんなで期待に胸を膨らませたのを覚えています。
そこで、この家はPerisco Hausと名づけました。periscoはperiscope=潜望鏡の略です。この場所は視線の高さによって、また眺める方向によって景色が変わります。高さを変え、方向を変えながら眺めたい景色を選べる、潜望鏡のような家。気分によって過ごす場所を変え、それぞれのお気に入りの場所で楽しく生活できる家をめざしました。
6帖の玄関ホールは、土足部分との段差を最小限とし、すべてをタイル仕上げとすることで広々としたモダンな印象の玄関ホールとなりました。板を折り曲げたような軽やかな階段も、インテリアのアクセントに。
「小屋裏」はなぜかわくわくする空間です。それをさらにリビングダイニングと一体につくることで、気軽に楽しむことができる空間として実現しました。北向きの大きなトップライトは、一年中安定した優しい光でリビング全体を包んでくれます。部屋を真っ暗にし、そこから親子で星を眺めた思い出は、きっと将来も子供たちの心に残ることでしょう。
わずか1帖、星を眺める小屋裏リビングから55cmあがったところにある小さな空間です。ハイサイド窓をとおして街を見渡し、海を眺めることができる、この家の「潜望鏡」です。そのほかにも小屋裏リビングのソファの対面に座るベンチの役割を果たしたり、ちょっとしたテーブルになったり。使い方は発想次第です。
吹き抜けの上部・南側にある高窓です。ここから入った明るい光は、一度壁に反射し、柔らかい光になってから空間全体に広がります。ロフト側のハイサイド窓は換気用として開くこともできます。高いところと低いところでは温度差があり、空気の移動が起こりやすく、室内に桐生が発生します。夏を快適に過ごす助けになってくれます。上部の深い庇は夏の高い陽射しをカットし、冬の低い陽射しはカットせず屋内に取り込む優れものです。
施工 | 株式会社コネクシオホーム |
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キッチン | ハンセム+モールテックス塗り |
所在地 | 西宮市 |
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用途 | 専用住宅 |
家族構成 | 夫婦+子供2人 |
竣工年 | 2017 |
構造 | 木造/地上2階 |
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敷地面積 | 34.8坪 |
延床面積 | 26.2坪 |
総工費 | 2270万円 |