今回も前回に引き続き、窓の種類と特徴についてご紹介していきます。
・上げ下げ窓
輸入住宅や、洋風の外観の住宅に採用されることの多いタイプの窓が上げ下げ窓です。
上げ下げ窓は場所をとらず、気密性が高いというメリットがあります。
構造的には引き違い窓とやや似ていますが、上げ下げ窓には気密性の低下につながるレールによる隙間がありませんので、ぴったりと閉めた状態になると、一般的な引違い窓よりも優れた高気密性と高断熱性を発揮します。
また、コンパクトな構造であるために防音性の高さも魅力的です。
複層ガラスや断熱加工を施した高性能タイプの製品も多くみられ、人気が高まっているタイプです。
設置に関しては住宅のデザインに合わせて、ワンセットを等間隔に話して配置したり、2つの上げ下げ窓をつなげて配置したりと、さまざまな応用方法があります。
北米スタイルの輸入住宅に多いタイプですが、性能の高さから日本の在来工法の住宅にも採用例が増えてきていますので、見かける機会も多くなっていますね。
・ルーバー窓
ルーバー窓は、主に浴室などのプライベートな空間に設置されることの多い窓です。
室内側からの操作によってブラインド上に重なっている窓ガラスの角度を自在に変えて固定することができ、外部からの通風量を好みに応じて変化させる事ができます。
また、ルーバー窓は外からの視線を遮れるという特徴から、浴室だけでなくトイレや脱衣所など外からの視線が気になる場所にもおすすめの窓と言えます。
窓自体が可動性を有するという構造上、断熱性や気密性は高くできませんので寒冷地には向きませんが、比較的温暖な地域においては寒気や通風のしやすさという観点から、人気の高い窓となっています。
外部からの衝撃に関してはやや弱いという特性がありますので、侵入対策など防犯性を高めるためにアルミ製の格子を外につけることが推奨されます。
住宅の立地条件や、設置を考えている部屋の状況に応じて採用するかどうかを検討することがおすすめです。
・フィックス窓
フィックス窓は開閉できない窓のことで、デザイン性が高いものが多いという特徴があります。
開閉することを前提としていないために、通常の窓と違ってたいへん自由なデザインができますので、遊び心のある雰囲気の空間演出にも利用することができます。
また、外開きタイプの窓とフィックス窓との組み合わせという窓は、光を取り入れる面積の多さと気密性の高さ、リーズナブルさなどの複数のメリットがあります。
そのために採用例が多数見られる一般的な窓となっています。
いかがでしたか?
前回から2回に渡り、6種類の窓をご紹介しました。窓のある家は明るくあたたかい家ともいいます。
ぜひ、今後のリフォームやマイフォームの間取りにご活用ください。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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