家を設計するときにどんな扉を使用するかは、そこでの生活のしやすさを左右する大きな要因になります。今回は、そんな室内扉の種類と特徴について、ご紹介します。
空間への出入りに利用する室内扉の種類は、大きく分けて3種類あります。
開き戸はもっとも一般的で、設置にはスペースが必要な扉です。
前後に開閉するタイプのドアで、部屋の内側に開くか外側に開くかによって、開閉のためのスペースを確保する場所が変わります。
開ける際に開く側にスペースが必要ですが、ドアの周囲の壁面は全て利用できます。限られた空間に設置する際には、開閉のためのスペースさえ確保できれば、取り付けには特に面倒な条件はありません。
このタイプの扉は途中まで開けた状態をキープすることが出来ず、換気などの点で使いにくさが指摘されますが、その弱点をカバーするために、扉を閉めたままで換気できるルーバーつきの開き戸などもあります。
同じ前後に開くタイプの扉に、折れ戸があります。
扉を開ける際に扉が折れ曲がる形状になっており、前後に扉を開けるためのスペースが十分に取れないような狭いスペースでも設置することが出来ます。
前後に開く開き戸と同じ幅を確保しつつ、開閉スペースは3分の一程度で済むものもあるので、設置できる場所がぐんと広がります。
折れ戸は開き戸ほどスペースがいりませんが、利便性や事故に注意する必要があります。扉が折れ曲がる際に誤って指を挟んだりする可能性があるので、特に幼い子供やお年寄りの家族には注意が必要です。
左右に扉をスライドさせることで開閉するのが引き戸です。
かつては引き戸は日本住宅向けの建具というイメージがあり、あまり洋間には向かないイメージがありましたが、現在はその使い勝手の良さや開口の広さなど様々な種類があることから高い人気が出るようになりました。
引き戸は近年増えてきており、戸をしまう壁面が必要な所には注意が必要ですが、開き戸や折れ戸のように扉の前後に開閉のためのスペースを確保する必要がなく、開口部の広さを調整しやすいのがメリットです。
また、バリアフリーで床面にレールを設置できない場所にはレールを丈夫に設置して扉を吊り下げるように設置するタイプや、肩引き扉、両引き扉、開けた引き戸を戸袋に引き込むことで開口部を最大限に活用できるタイプなど、引き戸にはとても多くの種類があり、利用する部屋の間取りに応じて様々な活用法が出来るところがメリットです。
間口の広さや部屋の仕切り方に併せて豊富な種類の中から自由に選ぶことが出来ます。
いかがでしたか?
室内扉と一言でいっても、このようにそのバリエーションはとっても豊かなんですね。室内扉に関しても、扉の特徴を活かせる適所に配置することで、より生活が快適に送れるようになるでしょう。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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