南向きの日当たりの良い家であっても、家の間取りの中で、北向きや東向きの部屋というのはどうしても暗くなりがちです。
このような位置にある部屋では、通常通りに壁に窓を設置しても明るさを感じるだけの光を確保するのことが難しいものです。
特に北向きにしか面していない部屋の場合、一年を通して直接日がさすことはなく、窓からもごく薄い明かりしか入ってこないため、冬には底冷えがしたり湿気がこもりやすいですよね。居室としては、かなり条件の悪い不人気スペースになってしまいがちです。
でも、そんな日差しのほとんど入らない位置にある部屋の屋根の部分に、トップライトを設置することで、驚くほどの採光が実現でき、部屋全体が明るくなることに驚かされます。
明るさの確保のために採用される事の多いトップライトですが、北向きで暗かった部屋に小さなトップライトを一箇所つけるだけで、まるで照明器具をつけたような明るさを感じることができます。昼間にはなんと照明いらずで、省エネになる効果も期待できますね。
バスルームや洗面脱衣所など、隣家との距離が近い部屋の場合、プライバシー保護のために窓が設置できないというケースもあります。
そんな場所でも、トップライトなら隣家からの視線を気にすることなく、日差しと風の通り道を作り、快適に過ごせる空間を実現することが出来ます。
また、トップライトを開放して夜空を楽しみながら入浴する、なんてロマンチックなことが実現できてしまうのも、トップライトを屋根に設置する構造のなせる業です。
壁面に設置した窓を開け放して入浴するのは難しくても、トップライトならプライバシーに十分配慮しつつ、明るさと開放的な雰囲気の両方を手に入れることが出来ます。
換気の必要な場所に設置するときには開閉式のものを選びましょう。
北向きでも窓がもともと設置されていて、トップライトは採光のためだけに利用する、という部屋なら、開閉できないフィックス式のものを選ぶのがおすすめです。
採光に優れ、明るさや開放感をもたらしてくれるトップライトですが、屋根部分を切って取り付ける工法で設置されるため、雨漏りや掃除などのメンテナンスが大変なところは、デメリットの1つです。
住宅の外観上のメリットや機能性のよさを活用しようとするトップライトですが、設置したことが原因となって雨漏りが発生すれば、結果的には家の老朽化を早めることにも繋がりかねません。
そのため、トップライトを設置するに当たっては、優れた施工技術を持つメンテナンスのきちんとした施工会社を選ぶことが大切です。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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