リビングのインテリアに、温かみや奥行き、あるいは洗練された雰囲気をプラスしたいと感じたことはありませんか。
照明計画は、空間の印象を大きく左右する重要な要素であり、特に間接照明は、直接的な光の眩しさを抑えつつ、空間全体に柔らかな光を行き渡らせることで、他にはない特別な表情を与えてくれます。
壁や天井、家具などを照らし出すことで生まれる光と影のコントラストは、日々の暮らしに上質な安らぎと非日常感を溶け込ませ、リビングをより魅力的な空間へと進化させる可能性を秘めているのです。

リビングの間接照明の活用場所
テレビ裏に設置して落ち着いた空間を演出する
テレビの背面にLEDテープライトや薄型のバーライトなどを設置することは、リビング空間に奥行きと落ち着きをもたらす効果的な方法です。
画面から直接放たれる強い光が軽減されることで、視聴時の目の負担が和らぐだけでなく、壁全体が灯りに包まれることで、空間に柔らかなグラデーションが生まれ、リラックスできる雰囲気が醸し出されます。
特に暖色系の光を選ぶことで、より温かみのある心地よい空間を演出し、リビングの主役であるテレビ周りを、単なる機能的な場所から、洗練されたインテリアの一部へと格上げすることができます。
棚や壁面に設置して奥行きと広がりを出す
リビングの棚や壁面の間接照明は、空間に立体感と広がりを与えるのに非常に有効です。
例えば、オープンシェルフの棚板の裏側や側面に照明を仕込むことで、ディスプレイされた雑貨や本に陰影が生まれ、一点一点が際立ち、まるでギャラリーのような趣を演出できます。
また、壁面の上部や下部に設置するコーブ照明やウォールウォッシャーのように壁面を照らす照明は、壁面を光源として見せることで、視覚的に壁が遠ざかるような効果を生み出し、結果として部屋全体に奥行きと広がりを感じさせることができます。
コーナーに設置して部屋を広く見せる
リビングのデッドスペースになりがちなコーナー部分にフロアランプや間接照明を配置することで、空間に新たな表情と広がりをもたらすことが可能です。
部屋の角に光を当てることで、視線が自然とそのエリアへと誘導され、空間全体にメリハリが生まれます。
特に、背の高いフロアランプなどは、光源が天井近くまで達するため、空間を縦方向に拡張する効果も期待でき、部屋全体をより広々と感じさせる視覚的なトリックとして機能します。
コーナーの暗がりを解消し、光で空間をデザインすることで、リビングはより開放的で魅力的な場所へと変わるでしょう。
間接照明でリビングの空間演出はどう変わる?
光の色と明るさでリラックスできる雰囲気を出す
間接照明がもたらす最も大きな効果の一つは、光の色と明るさの調整によって、リビングに理想的なリラックス空間を創出できる点にあります。
一般的に、温かみのある電球色(約2800K〜3000K)や、自然な昼白色に近い温白色(約3500K)は、心を落ち着かせ、リラックス効果をもたらすと言われています。
さらに、調光機能付きの間接照明を選べば、読書や作業をする際にはしっかりと明るさを確保し、就寝前や映画鑑賞の際には落ち着いたトーンに落とすなど、時間帯や用途に合わせて最適な光環境を自在に作り出すことが可能です。
この光の演出により、リビングは一日を通して様々な表情を見せ、心地よい安らぎの空間へと変化します。
陰影で立体感と高級感をプラスする
間接照明は、壁や天井、家具の表面に柔らかな光を当て、意図的に陰影を生み出すことで、空間に深みと立体感、そして洗練された高級感を加えることができます。
直接的な光が作り出す均一な明るさとは異なり、間接照明は光の当たる部分と当たらない部分のコントラストによって、素材の質感や形状を際立たせ、空間に奥行きとドラマチックな表情を与えます。
例えば、凹凸のある壁紙や、木目調の家具に光を当てることで、そのテクスチャーがより豊かに表現され、まるで高級ホテルのような、落ち着きと品格のある空間が演出されるのです。
配置で視線を誘導し空間にアクセントをつける
間接照明の配置は、リビング空間における視線の流れを巧みにコントロールし、特定のエリアやオブジェクトに自然なアクセントをもたらす強力なツールとなります。
例えば、お気に入りのアート作品や観葉植物の近くにスポットライトを当てるように間接照明を配置することで、その魅力を際立たせ、空間のフォーカルポイントを作り出すことができます。
また、部屋の隅や天井の折り上げ部分などに照明を忍ばせることで、空間に意図的な奥行きや広がりを感じさせ、単調になりがちな空間にメリハリとリズム感を与え、デザイン性の高いインテリアへと昇華させることが可能です。
まとめ
リビングの間接照明は、テレビ裏、棚、壁面、コーナーといった様々な場所への配置によって、空間に奥行きや広がり、そして落ち着いた雰囲気を生み出します。
光の色や明るさを調整することでリラックス効果を高め、巧みな陰影表現は空間に立体感と高級感をもたらします。
さらに、照明の配置を工夫することで、空間に視線のアクセントをつけ、より意匠性の高いデザインへと昇華させることが可能です。
間接照明を賢く取り入れることで、あなたのリビングは、日々の暮らしに心地よい安らぎと、訪れる人々を魅了する上質な空間へと生まれ変わるでしょう。
投稿者プロフィール

- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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