
夢のマイホーム建築。
しかし、その前に立ちはだかるのが「地盤調査」という大きな壁。
費用はどのくらいかかるのか、どんな調査方法があるのか、不安は尽きないでしょう。
今回は、土地選びから建築完了まで、地盤調査に関する費用を徹底的に理解するための情報を提供します。
土地選びの段階で注意すべき点から、地盤調査の種類、費用、報告書の読み方、さらには地盤改良工事の費用まで、分かりやすく解説します。
安心して家づくりを進めるために、ぜひ最後まで読んでみてください。
土地選びと地盤リスク
土地選びで注意すべき点
土地選びは、家づくりの最初の、そして最も重要なステップです。
建物の設計やデザインを考える前に、まず土地の特性を十分に理解することが大切です。
特に地盤は、建物の基礎を支える重要な要素であり、その状態によって建築費用や居住後の安全性に大きく影響します。
周辺の地形や過去の地盤沈下履歴などを調べ、地盤リスクを事前に把握しておきましょう。
地盤の強度が低い土地では、後々高額な地盤改良が必要になる可能性もあります。
地盤リスクの種類と影響
地盤リスクには、様々な種類があります。
例えば、液状化現象は、地震によって地盤が液状化し、建物が傾いたり沈んだりする危険性があります。
また、不同沈下は、地盤の一部が沈下することで建物に傾きが生じる現象です。
さらに、軟弱地盤は、建物の基礎を支える強度が不足しているため、地盤沈下や不同沈下のリスクが高まります。
これらの地盤リスクは、建物の寿命を縮めたり、居住者の安全を脅かしたりする可能性があるため、十分に注意が必要です。
地盤リスクの事前調査の重要性
地盤リスクを事前に把握するには、地盤調査が不可欠です。
地盤調査は、土地の地質や強度を調べ、建物の基礎設計に役立つ情報を提供します。
調査結果に基づいて、適切な基礎工法や地盤改良工法を選択することで、地盤沈下などのリスクを軽減し、安全で快適な住まいを実現することができます。
早期に地盤リスクを把握することで、後々発生する可能性のある高額な費用を回避することもできます。
地盤調査費用と対策
地盤調査の種類と費用
地盤調査には、いくつかの種類があります。
代表的なものとして、スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)、スクリュードライバーサウンディング試験(SDS試験)、ボーリング調査、表面波探査法などが挙げられます。
SWS試験やSDS試験は比較的安価で、短時間で調査が完了します。
一方、ボーリング調査は高精度な調査が可能ですが、費用と時間がかかります。
表面波探査法は非破壊で調査できますが、費用はSWS試験より高額です。
それぞれの調査方法によって得られる情報や費用が異なるため、土地の状況や建物の規模に合わせて最適な方法を選択することが重要です。
費用は、調査方法や土地の広さによって大きく変動します。
地盤改良工事の種類と費用
地盤調査の結果、地盤改良が必要となる場合があります。
地盤改良工事には、表層改良工法、柱状改良工法、鋼管杭工法などがあります。
表層改良工法は、地表付近の軟弱地盤を改良する工法で、比較的安価です。
柱状改良工法は、セメントミルクを地中に注入して柱状の改良体を造る工法で、表層改良工法よりも深くまで改良できます。
鋼管杭工法は、鋼管を地中に打ち込んで地盤を補強する工法で、最も高価ですが、深い軟弱地盤にも対応できます。
費用は、改良工法の種類や改良範囲によって大きく異なります。
地盤調査報告書の読み方
地盤調査が完了すると、報告書が提出されます。
報告書には、地盤の強度、土質、地下水位などの情報が記載されています。
専門用語が多く、理解しづらい部分もあるかもしれませんが、重要なのは地盤改良の必要性と、その費用です。
「自沈層」の有無や、貫入時の状態(「ストン」や「スルスル」といった記述)に注目することで、地盤の軟弱さをある程度判断できます。
しかし、最終的な判断は専門家である設計士やハウスメーカーに委ねることが重要です。
費用を抑えるためのポイント
地盤調査費用を抑えるためには、いくつかのポイントがあります。
まず、土地選びの段階で地盤の固い場所を選ぶことが重要です。
地盤が強固であれば、地盤改良工事が不要になる可能性が高く、費用を節約できます。
また、ハウスメーカーなどに相談し、最適な調査方法を選択することで、費用を抑えることができます。
依頼前にしっかりと見積もりを取るようにしましょう。
まとめ
マイホーム建築における地盤調査は、安全で快適な住まいを建てる上で不可欠です。
土地選びの段階から地盤リスクを考慮し、適切な地盤調査と必要に応じた地盤改良を行うことで、将来的なトラブルや高額な費用を回避できます。
地盤調査の種類や費用、報告書の読み方、そして地盤改良工事の種類と費用を理解することで、安心して家づくりを進めることができるでしょう。
専門家と相談しながら、最適なプランを選択することが重要です。
投稿者プロフィール

- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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