
家を建てる際、工事費以外にも費用がかかることをご存知でしょうか。
設計監理科は聞き慣れない言葉かもしれませんが、家づくりの成功には欠かせない重要な費用です。
今回は、設計監理料とは何か、その内訳や算出方法、相場、そして設計監理を依頼するメリットについて、分かりやすくご紹介します。
設計監理料とは何かを徹底解説
設計監理料の定義と含まれる業務内容
設計監理料とは、設計事務所が建物の設計と工事監理を行うための費用です。
設計業務には、お客様のご要望のヒアリング、敷地調査、基本設計、実施設計、確認申請などが含まれます。
実施設計では、建物の各部の正確な寸法や仕上げ素材などを決定し、詳細な図面を作成します。
工事監理業務では、設計図書通りに工事が進められているかを確認し、必要に応じて施工会社に指示を出したり、是正を依頼したりします。
これら設計と監理の両方の業務を包括した費用が設計監理料となります。
設計監理料の算出方法と相場
設計監理料の算出方法は、設計事務所によって異なりますが、一般的には工事費の10~20%程度が相場とされています。
しかし、これはあくまで目安であり、建物の規模、デザインの複雑さ、使用する材料、特殊な工法の採用などによって大きく変動します。
高級な仕上げ材を使用したり、複雑な構造の建物であれば、設計監理料は高くなる傾向があります。
また、設計監理に要する時間や労力も考慮されます。
そのため、設計事務所に見積もりを依頼し、検討することが重要です。
設計監理料と設計料の違い
設計監理料と設計料は、しばしば混同されますが、明確な違いがあります。
設計料は、設計図面を作成する業務に対する費用です。
一方で、設計監理料は、設計に加え、工事監理業務も含めた費用です。
工事監理業務には、工事現場の巡回、施工状況の確認、品質管理、工程管理などが含まれます。
つまり、設計監理料には設計料が含まれており、さらに工事監理にかかる費用が上乗せされていると考えてください。
設計監理を依頼するメリット
設計監理を依頼するメリットは数多くあります。
設計図書通りに工事が行われるため、品質や安全性が確保されます。
また、専門家の視点から、コストの削減やトラブルの回避に役立ちます。
さらに、設計事務所は、施工会社との調整や交渉など、施主が直接行うのが難しい業務を代行してくれます。
結果として、施主は安心して家づくりを進めることができます。
設計監理業務の具体的な流れと重要ポイント
設計段階での業務内容
設計段階では、まず施主との綿密な打ち合わせを行い、要望や予算などをヒアリングします。
その後、敷地調査を行い、周辺環境や法規制などを確認します。
これらの情報に基づいて、基本設計、実施設計を行い、詳細な図面を作成します。
設計図面が完成したら、確認申請を行い、行政機関の承認を得ます。
工事監理段階での業務内容
工事監理段階では、着工前に施工会社から提出される施工計画書や図面などを確認します。
工事中は定期的に現場を巡回し、施工状況や品質などを確認します。
設計図書と異なる箇所があれば、施工会社に是正を指示します。
また、施主への定期的な報告を行い、工事の進捗状況などを説明します。
設計監理における注意点とトラブル回避策
設計監理を依頼する際には、契約内容をしっかりと確認することが重要です。
特に、設計監理料の内訳、支払い方法、責任範囲などを明確にしておく必要があります。
また、設計事務所とのコミュニケーションを密にすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
何か問題が発生した場合は、速やかに設計事務所と協議し、解決策を検討しましょう。
設計監理者と施工管理者の役割分担
設計監理者は、施主の代理として、工事全体の品質管理や安全管理を行います。
一方で、施工管理者は、施工会社側の立場から、工事の進捗管理や品質管理を行います。
両者は連携して、設計図書通りに工事が行われるよう努めます。
施主は、設計監理者と施工管理者との良好な関係を維持することにより、安心して家づくりを進めることができます。
まとめ
この記事では、設計監理料について、その定義、算出方法、相場、依頼するメリットなどを解説しました。
設計監理は、家づくりの成功に不可欠な要素です。
専門家である設計事務所に依頼することで、品質や安全性を確保し、安心して家づくりを進めることができます。
設計監理料は、一見高額に感じるかもしれませんが、トラブルを回避し、理想の家を建てるための重要な投資であると言えるでしょう。
設計事務所に見積もりを依頼し、検討することで、最適な設計事務所を選択することが重要です。
設計監理業務の具体的な流れや注意点についても理解することで、よりスムーズな家づくりを実現できるでしょう。
投稿者プロフィール

- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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