マンションの床を選ぶ際、見た目の美しさだけでなく、生活の快適さを左右する重要な要素として「遮音性能」があります。
特に上階からの足音や家具の移動音をはじめ、日常生活の中で発生するさまざまな音をどの程度軽減できるかは、マンション選びにおいて重要なポイントの一つとなります。
今回は、マンションの床の遮音性能に焦点を当て、遮音等級とその目安、さらにはフローリングの分類について解説します。
□遮音等級とその重要性
遮音等級とは、床を通して伝わる音の大きさを減らす能力を数値で示したものです。
この等級は「L値」と「級数」で表され、L値が低いほど、また級数が高いほど遮音性能が高いことを意味します。
特に、新築分譲マンションでこの遮音等級が注目されることが多く、快適な居住空間を実現するためにも、この遮音等級を事前に確認することが推奨されます。
1:遮音等級の目安
日本建築学会では、建築物の遮音性能基準を設けており、この基準に基づいて各マンションの床の遮音性能が設計されています。
遮音等級には、特級から3級まであり、特級が最も遮音性能が高く、3級が最も低いとされています。
2:遮音等級の調べ方
遮音等級は、新築分譲マンションの場合、分譲時のパンフレットや管理規約で確認できます。
中古マンションや賃貸物件の場合でも、売主や管理会社に問い合わせることで情報を得ることが可能です。
□フローリングの分類と防音フローリングの構造
マンションで使用されるフローリング材には、「単層フローリング」と「複合フローリング」の2種類があります。
単層フローリングは天然木の無垢材を使用し、複合フローリングは合板に天然木を貼ったものです。
防音フローリングに関しては、通常のフローリングの裏面に緩衝材を設けることで、床に落ちた物の振動を吸収し、下の階への音の伝わりを防ぐ構造になっています。
1:単層フローリング
単層フローリングは、肌触りが良く、傷がついても削って補修可能な点がメリットですが、コストが高めになる傾向にあります。
2:複合フローリング
複合フローリングはコストパフォーマンスに優れていますが、補修が難しいというデメリットがあります。
また、防音性能を高めるために特別な構造が採用されることもあります。
□まとめ
マンションの床選びにおいて、遮音性能は居住の快適さを大きく左右します。
遮音等級を事前に確認し、自分の生活スタイルに合ったフローリングを選ぶことが重要です。
また、防音フローリングの選択も、より静かな居住空間を実現するための選択肢の一つとなります。
適切な知識を持ってマンション選びに臨むことで、快適なマンションライフを送れるでしょう。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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