築年数の古いマンションだと床が畳の和室があったりカーペットのものだったりするため、床のリフォームを検討する方も多いのではないでしょうか。
リフォームやリノベーションに関わる、床の遮音性能について紹介します。
□遮音等級とは
マンションリフォームやリノベーション工事する際に必ずと言っていいほど出てくる、LL40、LL45、などの文字であらわされる、遮音等級という言葉があります。
これは床材の遮音性能を表す等級の値のことで、遮断される音の種類によってLL、LHと分類されます。
LLは食器等の軽くて硬いものが落ちた時の音や椅子などを引きずる音、LHは人が飛び跳ねたり走り回ったりするときの音をそれぞれ表しており、数値が低いほど遮音性が高いことになります。
L-40では上階の物音がかすかに聞こえるが気にならない程度であり、L-60ではスリッパの歩行者など生活音がかなり気になるレベルになります。
周りに迷惑をかけないだけでなく自分のプライバシーを守るためにも、遮音性能は高いものを選んだ方がいいでしょう。
簡単な対策としてカーペットや畳、コルクなどの床材を引く方法もありますが、フローリングであればLL-40の遮音フローリングを選べば足音の響きは軽減できます。
□2つの床工法のメリットとデメリット
直床はコンクリート床に遮音材をつけて直接フローリング材を張る工法で、ふわふわと柔らかく沈み込むような歩行感が特徴です。
メリットは床の高さが変わらないこと、施工費が比較的安価であることです。
デメリットは、選べるフローリングの種類が限られること、基本的に床下配管や配線ができないことです。
二重床はコンクリート床とフローリングの間に10数cmの空間を設ける工法で、少し硬めで自然な歩行感が特徴です。
メリットは、床下に空間があるため配管や導管の調整が容易で間取りやレイアウトの幅が広いこと、上に施工する床材に制限がないため無垢フローリング等も利用できることです。
デメリットは、直床よりも施工費が高いこと、床下空間の分天井が低くなることです。
一般的に直床は音が反響しにくく防音対策になりますが、二重床でも10cm以上の床下空間をとったり、コンクリートの上に緩衝材を敷いたりすれば防音効果を期待できます。
□まとめ
床の遮音性を高めるといっても様々な施工方法や材質がありますので、自身の状況、将来の予定など様々なことを考慮して最善のプランを選ぶ必要があります。
また防音対策といっても床だけではないため、リノベーションやリフォームする際には壁や天井、窓についても考慮するといいでしょう。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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