注文住宅で新たに住まいを建てるときや既にある物件を購入するとき、「日照」は注目されるポイントの1つ。直射日光が当たらない北側はなにかと嫌われがちですが、実はメリットも存在します。今回は北側の窓について紹介します。
□南側の窓がいいとされるけれど
できるだけ明るい日差しを取り込んで、ポカポカした部屋で過ごせるようにと南向きにこだわる人も多いです。
しかし、夏の暑い時期になると南側に大きくとった窓は厄介な存在になるでしょう。
強い太陽の光や熱によって室内温度を上昇させるため、エアコンも効きにくいからです。
日差しが強いことそのものがデメリットにもなります。
縁側という緩衝帯があった昔はよかったかもしれません。
しかしそれを失った今、南面からの採光量が多いため、テレビが見えにくくなり、読書もしづらいです。
また冬の場合も南側にある窓のデメリットが存在します。
それはいくら天気のいい日でも、熱や採光の恩恵を受けられるのは昼間だけ。
夜になったら昼間に取り込んだ以上の熱が大きな窓から出ていってしまいます。
そのため朝は外と同じような室温になってしまいます。
□注目したい北側の窓
住まいの北側は日照が悪く、湿度も高いため、物置やお風呂になっており、居室ではない場合が多いです。
窓があったとしても小さな窓がついているだけであったり、大きな窓がついていても閉めっぱなしにしたりしているお宅もあるでしょう。
しかし、夏場は南側の窓と北側の窓を同時に開けてみてください。
風の通り道ができ、それだけで室温をかなり下げることができます。
南側の日差しが強いことがデメリットにあげましたが、反対に北側の日差しが強くないことがメリットにあげられると思います。
あえて北側に性能の高い窓を設け終ることで終日、安定した光を確保することができます。
南側の窓を設置しても光量が多すぎてカーテンをするのであれば本末転倒です。
高い性能を持つ窓を北側に設置し、安定した光を長時間確保する方が得策といえるでしょう。
設計上難しかったり、隣家の距離が近くて北側の壁面に窓を設置できそうになかったりするときはトップライト(天窓)という選択肢もあります。
□まとめ
日本では古来より南側の窓が重視されてきましたが、今回の記事で見た通り北側の窓にもメリットはたくさん存在します。
注文住宅で窓を設置する位置に悩んだら是非、今回の記事の内容を思い出してみてください。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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