あまり日常会話で出てくることはない動線計画という単語。
しかし、家を1から建てる際は無視できない重要な考えです。
ではそれがいったい何なのか、なぜ大事なのかを見ていきましょう。
□動線計画について
動線計画とは文字通り動線の計画ですが、動線とはゾーニング間の人の動きを結んだもののことです。
今度はゾーニングという聞きなれない言葉が出てきましたがゾーニングというのは、機能ごとに空間を分けて間取りを考えることです。
例えば、リビングやダイニングはパブリックゾーン、寝室や書斎、子供部屋はプライベートゾーン、それぞれを結ぶ廊下や階段の通路ゾーンといった具合。
これらの間を人の動きで結んだのが動線であり、それらを考えて計画するのが動線計画です。
動線計画を立てることがより過ごしやすい空間を作るために必要不可欠になります。
動線を考える際のポイントは、なるべく短くすること。
家事に忙しい主婦を例に考えてみると、料理をしながら洗濯機を回すシーンがあると思います。
そのときにキッチンと洗濯機が離れていたら非常に不便です。
また重い洗濯カゴを運ぶのは大変ですから、洗濯機から干す場所への距離も短いほうがいいでしょう。
他にも、寝室からトイレが遠くないほうが便利だったり移動が多いところは短くしたりすることが大切でしょう。
動線計画とは何か、考えるときのポイントは何か、について書いてきましたが、動線の種類を把握することも計画を立てる上で大切でしょう。
動線には「家事動線」「来客動線」「衛生動線」「通勤動線」4つの種類があります。
まず家事動線についてですが、これは調理、洗濯、掃除といった家事に関わる動きの動線です。上で既に述べた通り、料理の最中に掃除をするなど家事のしやすさは家事動線の計画によって決まると言えるでしょう。
来客動線とは客が家に来た時に玄関から応接するエリアまでの移動を示す動線です。
ここを考える際のポイントは2つあります。
家族がトイレや浴室に移動する衛生動線と来客動線が重ならないようにすること。
トイレや浴室といったプライベートな空間が来客動線から見えてしまわないようにすることです。
衛生動線は既に述べたように来客動線とトイレや浴室を使う家族が鉢合わせにならないようにすること。夜間にトイレに行くために寝室とトイレが離れすぎないようにすることが大切です。
最後に通勤動線についてです。
これは朝起きてから学校や会社に行くまでの家族の動きを表す動線です。
朝は忙しく、皆がバタバタしがちになるので、それぞれがスムーズに動けるように動線を工夫したほうがよいでしょう。
動線にどんな種類があり、それぞれ何に気を付けたらいいかが分かったと思います。
動線を考えるということは生活スタイルをより効率化させるために必要なので1から建てる注文住宅では非常に大切です。
□まとめ
人にはそれぞれの生活スタイルやリズムがあります。
建築家に良い間取りのアイデアを出してもらうのもよいですが、自分の生活スタイルやリズムを一番知っている自分自身で計画を検討できたら、よりよい住まいになるでしょう。
注文住宅を検討の際は今回の記事を参考に動線計画について考えてみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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