「所有している中古マンションの遮音性を高めたい」
今回は、床の構造からみる床の遮音性能について解説していきます。
■床の中身
RC造・SRC造(ラーメン構造・壁式構造どちらも)の場合、まず、床の中にはコンクリート床(スラブと呼ばれる)があります。
この場合の床は、スラブの上に、
・直接フローリング材を貼る(直貼り工法)
・まず、垂直にくみあわせた木材や合板をはり、その上にフローリング材を貼る(根太床工法、剛床工法、二重床工法)
・まず、防振ゴムの支持脚の上に木材のパネルを置き、その上にフローリング材を貼る(置床工法、二重床工法)
などの流れで作られます。
S造(ラーメン構造)の場合、床は、垂直に交差する鉄骨の上にデッキプレートと呼ばれる構造を置き、
・直接フローリング材を貼る
・垂直にくみあわせた木材や合板をはり、その上にフローリング材を貼る
・デッキプレートにコンクリートを流し込んで固め、その上にフローリング材を貼る
・ALC(軽量気泡コンクリート)合板を置く、その上にフローリング材を貼る
などの流れで作られます。
グラスウールやスタイロフォームなどの断熱材がフローリング材の下に入ることもあります。
また、フローリング材の代わりに遮音フローリングやカーペット仕上げであることもあります。
このように、床の中身はマンションの構造・床の作り方によって様々です。
■床の構造と遮音性
1.スラブの厚さ
スラブ(コンクリート)は、本来、高い遮音性を有しています。
また、スラブが厚い方が、床への衝撃により生じる音を軽減できます。
もちろん、床下にスラブがない場合もあります。
2.床の厚さ
床に使われる材料の中に、音を増幅する性質のものは含まれていないので、基本的に床が厚ければ厚いほど遮音性は高まります。
3.仕上げ材
通常のフローリング材でなく遮音フローリング材を使った方が遮音性は高くなります。
■まとめ
・「RC造とSRC造」ではコンクリートの上にフローリング材を貼っていく。
・「S造」ではデッキプレートと呼ばれる構造の上にコンクリートを置く場合と置かない場合がある。
・コンクリートが厚いほど遮音性が高くなる。
以上が「マンションの床の遮音性能」床の構造編についての解説でした。
次回は、遮音性能の評価基準編を解説していきます。
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投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
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