「所有している中古マンションの遮音性を高めたい」
今回は、これまでの「マンションの構造編」と「床の構造編」をふまえたうえで、マンションの床の遮音性能の評価基準について解説していきます。
■床から伝わる音の分類
1.軽量床衝撃音
スプーンが落ちた時の音、椅子を引いた音、足音、子供が飛び跳ねた音など比較的小さな衝撃音のことです。
2.重量床衝撃音
重いものを落とした時の音、大人が飛び跳ねた程度の音など大きな音のことです。
■L値
L値(L等級)とは、衝撃音の伝達具合を示す指標で、数字が小さいほど遮音性が高くなります。
軽量床衝撃音に対するLL値と重量床衝撃音に対するLH値に分かれます。
L値のLは、「floor impact sound level」に由来し、後ろのLは「Light weight」に、Hは「Heavy weight」に由来します。
LL値は遮音フローリングなどの遮音性指標であり、LH値はマンションのコンクリートの遮音性指標です。
200mm以上は遮音性が高い
■LL値
LL値はフローリング材などの遮音性の指標です。
普通のフローリング材がLL-60、遮音フローリング材はLL-55~LL-45、カーペットはLL-45~LL-40です。
また、遮音フローリングはLL-45以下が良いとされてます。
遮音性に関する表記にはL値以外に「適用等級」があり、LL40,LL-45,LL-50及びLL-55,LL-60はそれぞれ適用等級「特級1級、2級、3級」となる。
■LH値
LH値は、コンクリートの厚さに依存し、コンクリートが厚いほど遮音性が高くなります。
一般的なマンションはコンクリートの厚さ150mm程度で、LH-50となり、遮音性の高いマンションではコンクリートの厚さ200mm以上でLH-45以下になります。
■今回のまとめ
・床から伝わる音は、音を発する物質の重さによって「軽量床衝撃音」と「重量床衝撃音」に分かれる。
・L値とは、床の音の伝達具合を表す指標である。
・L値は、軽量床衝撃音に対する「LL値」と重量床衝撃音に対する「LH値」に分かれる。
・LL値は、フローリング材の遮音性の指標であり、LH値はマンションの床になるコンクリートの遮音性指標である。
・LL-45以下の遮音フローリング材が良いとされている。
・コンクリートは遮音性に優れ、厚みがあるほど遮音性が増す。
・厚さ200mm以上、LH-45以下のマンションは遮音性が高いと言える。
以上が「マンションの床の遮音性能」遮音性能の評価基準編についての解説でした。
株式会社seki.designは、兵庫県で中古マンションのリフォーム、建築・設計から住宅や店舗のリノベーション業務を行っています。
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投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
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