注文住宅の素材にこだわりたい方のために、前回は床材について紹介しました。今回は壁材の種類と特徴を見ていきます。住宅の中で一番面積の広い場所ですので、お気に入りの素材を見つけてください。
壁材の種類と特徴
1. クロス
クロスで一般的なのがビニルクロスです。これはポリ塩化ビニルを主原料としたものが多く、それにプリントや発泡、エンボス加工を施すことで様々なデザインや柄を作れます。
<メリット>
壁材の中でも一番コストパフォーマンスに優れている素材と言えるでしょう。また、扱いやすい素材のため工期が短いのも特徴です。掃除がしやすく、中性洗剤と布でふき取ることが可能です。種類が豊富で、選択の幅が広がりますよ。
<デメリット>
合成化学製品のため、素材の風合いを楽しむことは難しいです。また、結露しやすい特徴があり、貼り合わせの剥がれの原因となってしまいます。化学物質により、アレルギーやシックハウス症候群が発症する可能性があるのも大きなデメリットです。
2. 塗り壁
塗り壁は、職人が下地・中塗り・仕上げの原料の配合を決めて塗り上げていく工法です。そのため、塗り壁は信頼できる職人に依頼することがとても重要なのです。
<メリット>
調湿性や防火性、防音性に優れた、高性能の素材です。種類も豊富で、それぞれの質感を楽しめることでしょう。デザイン性にも優れているため、自分好みのお気に入りが見つかるかもしれません。
<デメリット>
クロスとは異なり、掃除が難しいのがデメリットです。珪藻土は消しゴムで汚れを落とせますが、砂壁は汚れを落とす方法がありません。また、職人の技量によって仕上がりが大きく変わってくるのもデメリットです。均一に塗る作業は時間がかかりますし、施行費も高くつきます。
3. タイル
<メリット>
外壁にもよく使用されるタイルは、耐久性に優れています。少しの衝撃ではヒビが入らず、安心して生活できます。また、耐水性能も備わっているため、キッチンやトイレ、浴室といった水回りによく使われます。手入れもしやすく、汚れのふき取りが簡単に行える特徴があります。
<デメリット>
タイル材のデメリットはコストが高いことです。部屋全体にタイルを使用すると、費用が膨大になってしまうので、水回りやアクセントとして使用することをおすすめします。
それぞれの壁材のメリットとデメリットを把握して、自分に合った素材を選びましょう。内装の壁に納得することは、これから注文住宅で満足のいく生活を送る上でとても重要です。素敵な壁材で素敵な住宅づくりをしていきましょう。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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