「素材にこだわった注文住宅を建てたい」
このように、注文住宅を建てる上で床材や壁材を何にするか悩む方も多いのではないでしょうか。家を形作る床と壁は、住宅の中でも一番面積の広いものです。そのため、床と壁の素材ひとつで住宅の印象が大きく変わることでしょう。
そこで2回に分けて、床材と壁材の種類と特徴を紹介していきます。
床材の種類と特徴
1. 無垢フローリング
無垢材のフローリングによく使用されるのは、ブナやサクラ、ナラといった広葉樹や、スギやヒノキといった針葉樹です。
<メリット>
木目や天然の風合いで、温かみのある味わいを感じられる特徴があります。また、年月を経ることに色合いが変わってくるので、味わいの変化も楽しめることでしょう。自然素材なので肌触りがよく、調湿性・保湿性に優れています。そのため、冬場にはだしで歩いても快適な床材と言えます。
<デメリット>
調湿性・保湿性があるため、木目が割れたり反ったりといった症状が起こりやすいのがデメリットです。日本には四季があり、1年を通して乾燥や過湿を繰り返すため、無垢材の伸び縮みが激しくなるからです。
2. 複合フローリング
複合フローリングとは、薄い合板を何枚も重ねて、その表面に化粧シートを貼った床材のことです。
<メリット>
化粧シートには木目模様が印刷されており、自分好みの色合いを楽しめます。温度によって木材が左右されることがないため、反ったり割れたりといった心配はいりません。無垢材と比べ費用が安いのも特徴の一つです。
<デメリット>
調湿性・保湿性はないため、冬場と夏場の快適さは保証できません。また、表面はシールなので、木材本来の風合いや色合いを楽しむことはできないでしょう。そして、一番のデメリットは化学物質を使用している点です。アレルギーやシックハウス症候群を発症してしまう可能性がゼロではないのです。
3. クッションフロア
クッションフロアとは、塩化ビニールにクッション材が入っている床材のことです。
<メリット>
クッション性があるので、子どもが走り回っても安心です。また、耐水性に優れているため子どもやお年寄りが飲み物を溢してもすぐにふき取れます。トイレや洗面所に使用するとよいでしょう。
<デメリット>
水には強い一方、熱と重みに弱い特徴があります。重い家具を何年も同じ場所に置いておいたり、日当たりが強い部屋に使用したりすると、跡が残ってしまう可能性があります。
それぞれの床材にメリットとデメリットは存在します。床の素材に何を求めるのか、優先順位をつけて、これから先快適に過ごせる注文住宅を建ててください。次回は壁材の種類と特徴について紹介します。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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