「部屋の北側に窓は必要ない!」こんな話を聞いたことはありませんか?
そのような話を鵜呑みして間取りの設計を間違える方がとても多いのです。
窓の配置を考えるのは難しいことですが、設計を間違えると一生後悔してしまう可能性があるので、噂を鵜呑みにせずよく考えることが大切です。
それでは、なぜ北側の窓がダメだと言われるのか、北側の窓は本当にダメなのかについてお話しします。
■北側の窓がダメと言われるワケ
家の北側に窓を設置すると光が十分に入ってこないと一般的に言われています。
そのような主張の根拠はこうです。
「太陽は東から昇り、南を通り西へ沈む。だから、北側から太陽の光が入って来ない」
太陽が北を通らないから、太陽の光が部屋に入らず、部屋が暗くなるのではないかという主張です。
■本当に北側の窓はダメなのか
結論から申し上げますと、北側に窓を設置するメリットはたくさんあります。
〇実は安定した光が入ってくる
北側の窓がダメという方の主張は直射日光が入らないということでしたが、建造物に反射するなどして必ず十分な量の光は入ってきます。そして、直射日光ではないからこそ、夏に部屋の中で痛いほどの日差しを浴びることはなく、遮光をする必要もありません。
〇風の通り道ができる
窓が北側にしか設置していない場合は換気がしにくいというデメリットがあります。換気が十分にできないと、室内に熱がこもり湿度が高くなり、カビが生える原因になり、衛生上良くないですし住み心地が悪くなります。しかし、北側に窓を設置すると北側と南側の両方に風の通り道が出来て効率よく換気が出来ます。
〇トップライト(天窓)が設置しやすい
注文住宅の場合、トップライト(天窓)をお考えの方も多いのではないでしょうか。
もし、南側にトップライトを設置すると直射日光が家の中に入ってきます。これでは、家の外と変わりませんよね。北側にトップライトを設置すると直射日光は入って来ず、通常の北側の窓よりも明るくなります。
どの家も基本的に南側には窓があるので、北側に窓を設置するとお隣の家の南側の窓と向かい合わせになり気まずくなる可能性もあるので、その場合はトップライトを設置する方が良いでしょう。
■おわりに
北側の窓は直射日光が入らないことによる様々なメリットがあるので、北側には窓は必要ないという噂を過信して設置しないのはもったいないことです。
家によって間取りは違うので、ご自身の家を建てられる際に、間取りを意識しながら北側に窓を設置できるか、トップライトの方が良いかを検討してみてください。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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