前回は、リノベーションのメリットについて、お話させていただきました。
一番のメリットとして、間取りを自由に変更でき、よりよい生活を送る助けをしてくれることがあげられましたね。
また、同じ機能や見た目を、新築よりも安い費用で手に入れることができる、といったメリットもありました。
これだけを聞くと、メリットしかないように思われますが、デメリットもあります。
そこで、今回は、リノベーションのデメリットについて述べていきましょう。
・耐久性に不安を残すことがある
長く住んだ家で、築年数がたっている場合、耐久性に注意を払う必要があります。
これは、もちろん柱が老朽化して、耐久度が落ちていることはもちろんなのですが、建築基準法が改正される前の建物が、耐震基準などを満たしていない場合もあるからです。
見た目では同じに見える、新築との違いが、目に見えない耐久性に潜んでいます。
・実際に住むまでに時間がかかってしまう
自宅をリノベーションする場合、リフォームよりも時間がかかります。
これは、中古物件を購入し、リノベーションをするときも同じですが、耐震性などの建物検査や、間取りなどの設計、実際の施工など、多くのステップを踏む必要があり、こだわればこだわるほど、完成までに多くの時間がかかってしまうのです。
一刻も早く自分たちの家に住みたいときや、打ち合わせの時間があまりとれないときは、大規模なリノベーションはお勧めしません。
・ローン金利が高くなってしまう
リノベーションを行う場合、一般に住宅ローンを利用することができません。
そのため、リフォームローンを利用する必要があるのですが、これは、住宅ローンよりも金利が高いです。
さらに、中古物件を購入して、リノベーションをする場合は、住宅ローンと2重の支払いが発生する場合もあるため、資金計画を念入りに考える必要があります。
いかがでしたか。
リノベーションは、見た目は新築と変わりませんが、耐久性に不安を残します。
また、工期が長くかかったり、ローンの金利が高くなるといったデメリットもあるのです。
リノベーションの特徴をよく把握する必要がありますね。
今回まで5回にわたって、リフォームとリノベーションの比較を行ってきました。
これらを簡単にまとめると、
・住宅の機能面を向上させたいなら、リノベーション、住宅をもとの新しさに戻すだけで良いならリフォーム。
・費用はリフォームのほうが安いが、柱の老朽化がかなり進んでいる場合は、修繕費が予想以上にかかる場合もある。
・工期はリフォームのほうが短い。
となります。
自分たちの今現在の状況に合わせて、どの選択が良いか決めていきましょう。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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