
マンション選びで最も気になることの一つに、騒音問題があります。
特に、階下への生活音は、自分だけでなく、近隣住民との良好な関係を築く上でも重要な要素です。
快適なマンションライフを送るためには、床の遮音性能をしっかり理解し、適切な対策を講じる必要があります。
そこで今回は、マンションの床の遮音性能について、具体的な数値や選び方、対策などを解説します。
騒音に悩まされることなく、穏やかな日々を過ごせるマンション選びの参考になれば幸いです。
マンションの床の遮音性能
L値LLとLHの解説
マンションの床の遮音性能は、L値(エルち)と呼ばれる数値で表されます。
L値には、軽量床衝撃音を表すLL(エルエル)と、重量床衝撃音を表すLH(エルエイチ)の2種類があります。
LLは、椅子を引く音や食器を落とす音など、比較的軽くて高い音です。
一方、LHは、足音や飛び跳ねる音など、重くて低い音です。
L値は、数字が小さいほど遮音性能が高いことを示し、一般的にLLの方が重要視されます。
例えば、LL45は、LL40よりも遮音性能が低くなります。
スラブ厚の影響と対策
遮音性能は、床と天井の間にあるコンクリートのスラブ厚さにも影響されます。
スラブが厚いほど、音の伝わりが抑えられ、遮音性能が高まります。
しかし、スラブを厚くすると建築コストも高くなるため、マンションによってスラブ厚は異なります。
スラブ厚が薄いマンションの場合、床材選びに加え、遮音性の高い床下地材を使用するなどの対策が必要となる場合があります。
床材の種類による違い
床材の種類によっても遮音性能は大きく異なります。
例えば、カーペットはフローリングに比べて遮音性が高い傾向があります。
フローリングを選ぶ際は、遮音性能が高い素材や、遮音マットとの併用などを検討しましょう。
最近では、遮音性能に優れた様々なタイプのフローリング材も開発されており、製品情報を確認することで、LL値やLH値を確認できます。
遮音等級の選び方
マンションの管理規約には、床の遮音等級に関する規定が記載されていることが多いです。
購入前に、管理規約を確認し、規定されている遮音等級を満たす床材を選ぶことが重要です。
また、将来のリフォームを考慮し、将来的な床材交換の際に、管理規約に適合する製品を選べるように検討するのも良いでしょう。
騒音対策と快適な住まい
リフォーム時の注意点
リフォームで床材を交換する際には、管理規約で定められた遮音等級を必ず満たす必要があります。
管理組合への申請手続きが必要な場合もありますので、事前に確認が必要です。
また、工事による騒音で近隣住民に迷惑がかからないよう、配慮が必要です。
遮音性能向上のための選び方
遮音性能を向上させるためには、床材だけでなく、床下地材の選択も重要です。
遮音性の高い床下地材を使用することで、より効果的な遮音対策が期待できます。
また、カーペットやラグなどを敷くことでも、遮音性能を向上させることができます。
マンションの構造や自分の生活スタイルを考慮し、最適な対策を選びましょう。
まとめ
マンションの床の遮音性能は、L値(LLとLH)、スラブ厚、床材の種類によって大きく異なります。
快適な生活を送るためには、管理規約で定められた遮音等級を満たす床材を選び、必要に応じて床下地材の検討や、カーペットなどの併用も検討することが重要です。
騒音対策をしっかり行い、静かで快適なマンションライフを実現しましょう。
購入前には管理規約をよく確認し、リフォームの際は管理組合への申請手続きを忘れずに行いましょう。
適切な選び方と対策によって、騒音問題を軽減し、より快適な住環境を手に入れることができます。
当社ではみなさんとの対話を通じて
ひとりひとりの心地よい〈住まいのかたち〉を見つけ出す
お手伝いをいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール

- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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