Analysis of the Site
敷地環境を読み解く

形状が三角形、前面道路は急な坂道で、周囲の敷地との高低差もある──という珍しい敷地に建つ家です。計画は、その敷地環境や諸条件を読み解きながら進められました。西側は道路に接し、東側にも隣家が迫っています。高低差のせいで、見下ろしたり見下ろされたりといった視線も考慮にいれておかなければなりません。
浮かびあがってきたのは、同じかたちの二枚の壁、すなわち〈双子の壁〉に挟まれたボリュームです。西側の壁は道路からの視線や騒音を遮り、法面の土留めをする役割、東側の壁は室内から見える景色をコントロールし、また周囲からの視線も遮る役割を果たします。一方、内部空間は、景色の広がる南北方向を軸としてプランニングを展開させました。
インテリアのコンセプトは「好きなものに囲まれて暮らす」。壁面のオープンな棚にお気に入りのものを飾ったりして、それが個性的な空間へと繋がっていくことをめざしました。
坂道の途中にあり、高低差が激しい敷地です。視線や騒音を遮るため、東西に建てたふたつの壁で挟みこむかたちの住まいとなりました。
個室の広さを最小限に抑え、広い玄関を確保しました。オープンな収納に並べられた〈お気に入り〉が空間を彩り、帰宅時に迎えてくれます。吹抜けを介して2階LDKとつながっています。
玄関やリビングにはオープンな棚をしつらえています。「隠す収納」とは反対に、お気に入りの小物を飾り、おしゃれに収納することで空間をつくっていこうという提案です。
LDKをすこしでも広く感じれるよう、書斎とリビングをひとつにしています。
延べ床面積27.6坪と決して広くない家で、LDKをなるべく大きくしようという一方、どうしても和室が欲しいというご要望のなかでうまれた三角形の空間です。敷地の形状と同じかたちをした和室は、季節のものを飾ったり、ちょっと寝転がったり、お正月に夫婦でお節料理を食べたりと、暮らしの彩りとなる場所となるでしょう。床の間は黒皮鉄でつくり、すこしモダンな雰囲気に。障子の向こうは、玄関上部の吹抜けです。
将来子供が増えてもうひとつ個室が必要になったときに、主寝室を仕切って3LDKにできるような工夫をしています。ライフステージにしたがって生活は変化し、必要な空間も変わっていくもので、それを当初から見越した設計も大切です。
家を建てる前に住んでいたマンションの近くにとてもカッコいい家が建築中でそれが石さんが設計したクレバスハウスでした。それがきっかけで石さんに設計をお願いしようと妻と話していました。
実際会って人柄もすごくアットホームな方でデザイン性だけでなく機能性や住みやすさなど色々相談し打ち合わせしました。
完成するまでキッチンメーカーに同行してもらったり、予算内に収まるように床材を提案してもらったりと親身に相談に乗ってもらえました。
住んで2年になり、昨年子供も生まれ快適に暮らせています。家のコンセプトとして景色が良くプライバシーも確保できるように設計してもらって、子供にも快適な家になったと思ってます。
昨年には石さんのご家族を家に招待しホームパーティをさせてもらいとても気さくに話せ相談しやすい方です。
施工 | 有限会社ビームスコンストラクション |
---|---|
キッチン | アレスタ/リクシル |
所在地 | 神戸市垂水区 |
---|---|
用途 | 専用住宅 |
家族構成 | 夫婦 |
竣工年 | 2017 |
構造 | 木造/地上2階 |
---|---|
敷地面積 | 41.45坪 |
延床面積 | 27.65坪 |
総工費 | 2550万円 |