こどもが巣立った夫婦の住まい
神戸市の御影にあるマンションの1室のリフォームです。クライアントは、60代の夫婦。子供たちが巣立ち、いくつかの個室も不要になりました。
もとの住まいは、8帖と6帖のつづき間があり、そこに床の間と仏間、窓際には広縁があるという、よくみかける「日本の間取り」。多くの場合その〈つづき間〉は、もっとも日当たりのよい家の中心にあって、法事やお葬式がそこで行われ、お盆とお正月には親戚一同が集まる場所となります。
しかしいまでは、お葬式はセレモニーホールで、法事は家族だけでこぢんまりと行われるようになりました。盆と正月に集まるのは親戚ではなく、立派に成長した子供たちと大勢の孫たちです。家の中心は〈つづき間〉からLDKへと移り変わっていきました。
子供が巣立ったあとの、夫婦の住まいを考えました。
空間構成
- ご夫婦が最も長い時間を過ごすLDKを、日当たりのよい〈つづき間〉があったところへ移動。中心となるLDKを広くとることで、全体に風が抜けるようになりました。また天井・壁・フローリングを明るい色にして、その「明るさ」が空間に行き渡るよう配慮しています
- 老後のため、LDKと寝室、寝室とトイレは直接アクセスできるように。通路の幅やトイレの大きさについても介護のしやすさを考慮しました。
- プライベートな場所を見せずにお客の応接ができるよう、玄関から和室へ直接アクセスできるようにしました。子供たちが帰ってきた時には客間と和室が泊まる部屋になります
photo: akiyoshi fukuzawa
御影の家
所在地 | 神戸市 |
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用途 | 専用住宅 |
家族構成 | 夫婦2人 |
施工 | 株式会社ギャラリア |
キッチン | L-class/パナソニック |
竣工年 | 2015 |
構造 | RC造マンション |
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敷地面積 | ── |
延床面積 | 131.1平方メートル |
総工費 | 2200万円 |