〈クレバス〉とは氷河や雪渓などにできた、深い裂け目のことです。この住宅の〈かたち〉は、四角いボリュームにさまざまな力(条件)を加えていくことによって生まれました。そのなかで空間にはズレが生じ、その境目で断裂します。しかしその〈かたち〉が、楽しく快適で気持ちの良い内部空間をつくりだすと考えました。クレバスから仰いで見える神戸の空や、目の前の公園から差しこんでくるうつくしい緑の光を楽しみながら暮らす家です。
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- 土地/環境/法規/住まう人にとっての心地よさ……四角いボリュームにさまざまな条件による力を加え、その結果うまれた〈かたち〉でつくった住宅です
- ボリュームのズレからうまれた裂け目=クレバスはガラスで包まれた階段ホールとなり、住まいの隅々へと光を届ける装置となっています
- また、そのズレによって左右のボリュームには約700mmの高低差がつき、内部はスキップフロアとなりました
- 全体を広々と開放的にしつつ、クレバスとスキップフロアの高低差という〈ズレ〉によって、空間を緩やかに区切り、適度な距離感で気持ちよく暮らせる住まいをめざしました
2016年度グッドデザイン賞 / Best of Houzz 2018受賞作品