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Earthquake Resistance of Wooden Houses
木造住宅の耐震性について

「耐震性」と住まいづくり

seki.designでは、ほとんどの場合、専門の構造建築士さんに依頼して構造解析を行っています。簡易な計算で設計を進めることは可能ですし、構造解析を行うことで余計な費用(難易度にもよりますが1件あたり15万円〜)もかかってしまうのですが、長いあいだそこで暮らしていく住宅なのですから、安全や安心感には代えられないと考えています。

ただし、「耐震性」と「空間の質」は往々にして相反するものです。木造住宅では通常、〈耐力壁〉と呼ばれる壁をつくることで地震の力に備えます。これが多ければ多いほど強い建物になるわけですが、壁をたくさんつくれば、こんどは間取りの自由度がなくなり、窓も減り、生活する空間が圧迫されることになってしまいます。

それほど極端な例でなくとも、住宅の設計にあたって、たとえば間口の狭い敷地であったり、駐車場を建物の下にいれたり、大きな窓のある広いリビングを実現したいと考えたときに、この〈壁〉が邪魔だなあと思うのはよくあることです(下の項にある図を参照ください)。要はその「バランス」がたいせつで、それをいかにうまくコントロールするかが建築家の腕の見せどころ、となるわけです。

耐震性と空間の質を両立させるために

seki.designでは、そのジレンマを解決するために〈SG-Frame構法〉という木造門型フレームを用いる構法を導入しています。このフレームは、先程説明した耐力壁の代わりになるものです。これを使うことによって、〈壁〉をつくらなければならなかったところへ大きな開口部を設けることができるようになり、従来の在来工法で考えたものより採光性や通風性の向上を見込むことができます。構造上あきらめていた間取りも、実現可能となるわけです。

従来の在来工法とSG-frame構法を採用したときの違い

似たようなもので〈SE構法〉という木造軸組工法もあるのですが、こちらは登録された工務店しか施工できず、また建物全体をこの構法でつくらなければなりません。結果として、在来工法で建てる場合に比べ、ざっと100〜150万円ほど増額するでしょうか。

一方、この〈SG-Frame構法〉は工務店を選ばず、必要な箇所のみそのフレームを利用すればいいようにできています。それによる増額も1フレームあたり20万円からとなっていて、より安価に耐震性と空間の質をバランスさせることができます。安全かつ豊かな空間をもつ住まいをとお考えの方は、ぜひわたしたちにご相談ください。

SG-Frame構法施工例:
[押部谷の家]

Worksのページに掲載している〈押部谷の家〉でもこの門型フレームをとりいれて設計を行いました。建物の間口が4.2mと狭かったのですが、ダイニングとリビングの繋がり・1階と2階の繋がりを重視して、2層の門型フレームを用いています(ただしコストダウンを考えて、たとえば外壁部分などには使っていません)。

押部谷の家平面図

従来の在来工法の場合、青色で示したところに耐力壁を設けなければならなくなりますが、門型フレームのおかげで広々と明るいリビング・ダイニングを実現することができました。以下の写真で、あの耐力壁があったらどうなるか想像してみてください!

作品写真 作品写真

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