近年はローコスト住宅の建築数が増えてきています。
その一方で、ローコスト住宅は建築後にいろいろ不具合が出たり、思っていたのと違うといった事もでてきているようです。
では、そんなローコスト住宅を成功させるにはどうすれば良いか、見ていくことにしましょう。
■無駄なコストを抑える。
もともとローコスト住宅は、使用している材料や設備のグレードが低く、その為価格を安くすることができているのですが、必要かどうかわからない部分を削る事でさらにコストを抑え、代わりに必要な部分を充実させる事ができます。
例えば、基礎です。
建物の基礎は、地面から見えている部分だけでは有りません。
地盤が柔らかいと基礎杭が必要になったり、余分に地盤を改良しないといけなくなります。
しかし元の土地の地盤が堅強であれば、基礎に費用を掛けずに丈夫な家を建てる事が出来ます。
また外構の塀はDIYで簡単な物を自分で作るようにして省くという選択も有りますし、駐車スペースの土間コンクリートを施工しないかわりに、地盤改良や砂利にしておく等、建物周囲のオプションの削減でもかなりの費用を抑える事が出来るでしょう。
■必要な基本性能は確保する。
コストを下げる為とはいえ、あまりに何もかも削り過ぎると、住居としての快適性も無くなってしまいますし、生活に支障をきたす事にもなります。
例えば建物の基本設備となるコンセントですが、数が少なすぎると結局は延長コードだらけになってしまうので、使い勝手も見た目も悪くなります。
それなら、有線LANケーブルを最小限にして、無線LANをメインにすると、使い勝手を悪くしないで配線工事費を抑えられるのではないでしょうか。
また、階段が急こう配なら手すりが無いとご年配の方でなくても危険です。
バルコニーの手すりもしっかりしたものの方が安心です。
■狭い空間を無駄なく有効活用する狭小住宅との違いを明確化する。
狭小住宅は土地も小さく、建築面積も少ないので、土地代も建築費用も低くなりますが、坪単価が安いという訳では有りません。
また狭小住宅は、部屋数を稼ぐには階数を増やすのが一般的です。
しかし、建物は階数が増えると構造強度も高くする必要が有り、コストは割高となります。
土地の広さが許すなら、建物は縦方向より横方向に広くする方が割安となります。
その他、建物内部など完成後に見えなくなる部分は施工業者もコストを下げるのに簡略化しがちです。
施工中は施主として時々現場確認したり、施工状況で分からない所を質問するのも、ローコスト住宅で失敗しないコツです。
投稿者プロフィール
- はじめまして。兵庫県神戸市で一級建築士として活動している石憲明(せき のりあき)です。「seki.design」では、神戸市や芦屋市、西宮市を中心に、注文住宅やマンション、別荘、クリニックなど、幅広い建築物の設計・監理を行っています。
私が大切にしているのは、クライアントとの対話です。一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、その人にとって最適な「住まいのかたち」を提案しています。デザイン性と機能性の両立を追求しながら、地域に根差し、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた空間づくりを目指しています。
「こんな住まいが欲しい」「この空間で過ごしたい」と感じていただけるような建築をお届けしたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新の投稿
- 2024年11月22日情報ブログペットと暮らす家づくりのポイントをご紹介!
- 2024年11月18日情報ブログ注文住宅の動線計画についてご紹介!
- 2024年11月14日情報ブログ注文住宅の外壁素材の選び方をご紹介!
- 2024年11月13日情報ブログトップライトとは?メリット・デメリットと選び方のポイントを解説します